#1 10月1日よりスタート！ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』の脚本を手がける三谷幸喜さん、メインキャラクターの1人を演じる神木隆之介さんにインタビュー

三谷 最近の現場には若い方が増えましたし、僕ら世代の人はほとんどいないんですよね。そんななかで、勇気ある若いプロデューサーが「何か一緒にやりたい」と声をかけてくださったんです。そこから今の僕にしか書けないものは何だろうと考え始め、1980年代の東京を舞台にした物語を書くことを思いつきました。

神木 うれしさと当時に緊張感がありました。お話をいただいてから、役にどれだけ三谷さんの動きや話し方などを反映させるべきなのか一生懸命考えて。でも、蓬莱という役名の通り名前が違いますし、もともと脚本の中に三谷さんの要素が含まれているということもあると思いますし、それをどうピックアップして表現していくか…いろいろと塩梅が難しいなと感じています。
三谷 僕のことは知っていたんですか？
神木 もちろんです。以前、朝ドラ（連続テレビ小説『らんまん』／NHK）をやらせてもらっているときに、スタジオでお見かけしたことがあって。遠目から「本物だ！」と、騒いでいました（笑）。
三谷 僕もそうですよ。「あ、本物の神木隆之介だ！」って（笑）。
神木 いやいや…ありがとうございます！

三谷 僕が普段一緒にお仕事をしている俳優さんは、割と年配の方が多いので、若い俳優さんとの接点があまり多くないんです。でも、神木さんのお名前はもちろん知っていました。でも、「いつか作品を一緒にやるかもしれない」という目線ではなかったので、今回初めてご一緒して、すごく新鮮な体験をさせてもらいました。
神木 僕は、作品の番宣などで朝の番組のエンタメコーナーに出ていらっしゃる三谷さんを見ていて…。
三谷 作品は見てない（笑）？
神木 見てます（笑）。（佐藤）浩市さんの『ザ・マジックアワー』が好きです。テレビで見る三谷さんの印象は、博学な方だなという印象でした。だから、初めてお会いする際は、話についていけるのか、ちゃんと話が理解できるのか、「理解力がないな」と思われてしまうかもしれないと思って、緊張していました（笑）。
三谷 神木さんだけではないのですが、若い俳優さんは“大家”のような誤った印象を僕に持っているみたいですが、全然違いますから。そういう過大評価された空気感の中に入っていくのは、ものすごく厄介なんです。
神木 でも、三谷さんが手がけた作品が公開されるとなると、最初に「三谷幸喜作品」と言われるじゃないですか。それが印象的なので、とてつもなくすごい方だなと思っていました（笑）。
三谷 やりづらいです（笑）。