#1 10月1日よりスタート！ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』の主演を務める菅田将暉さんにインタビュー
菅田将暉（すだ まさき）さん
1993年2月21日生まれ。大阪府出身。2009年俳優デビュー。『3年A組-今から皆さんは、人質です-』（日本テレビ）、『ミステリと言う勿れ』（フジテレビ）、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』（NHK）、映画『共喰い』、『帝一の國』、『糸』、『Cloud』、『サンセット・サンライズ』など、数多くの話題作に出演。2017年から始めた音楽活動も好評で、2026年1月24日、25日に東京ガーデンシアターでのワンマンライブも決定している。
10月1日（水）より放送がスタートする新水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』。
本作は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、脚本家・三谷幸喜さんの半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。若者たちのくすぶり、情熱、苦悩、恋が描かれます。
自分の才能を信じ成功を夢見る主人公の演劇青年・久部三成（くべ・みつなり）を菅田将暉さん、ミステリアスなダンサー・倖田リカ（こうだ・りか）を二階堂ふみさん、新人の放送作家・蓬莱省吾（ほうらい・しょうご）を神木隆之介さん、渋谷にひっそりとたたずむ八分神社の巫女・江頭樹里（えがしら・じゅり）を浜辺美波さんが演じると発表されると、大きな話題を呼びました。
ハチマガでは、3年半ぶりの連続ドラマ主演となる菅田さんにインタビュー。三谷さんによって生み出された脚本の感想や演じる久部の人物像、菅田さんがもがいた過去などについて語ってもらいました。
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菅田将暉 久しぶりの三谷幸喜作品への参加に歓喜「（大河ドラマは）難しかったけど、楽しかった」
まずは脚本を読んだ感想を聞かせてください。
最初からとにかく面白かったです。登場人物みんながせわしなく動いていて、その感じはすごく劇団っぽくて、三谷（幸喜）さんの作品っぽくていいなぁと思いました。個人的に三谷さんの群像劇がすごく好きなんです。笑いと、涙と、感情がたくさん描かれているので。そのごちゃまぜ感が本当に面白いですね。
本作は三谷さんの半自伝的要素を含むことでも話題ですね。
そうですね。僕は1993年生まれなので、1984年という時代を知らなかったのですが、ストリップ劇場で芸人さんがネタを披露していたこととか、当時の渋谷の様子はすごく新鮮です。三谷さんと以前お話した際に「あの頃は、みんなポジティブで、前向きで、“何もないけど全部ある”みたいな、エネルギーがある時代だった」とおっしゃっていたのですが、そういう世界観で役が演じられることが楽しみでした。
三谷さんの作品は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』（NHK）以来2度目の出演となります。その点に関する気持ちはいかがですか？
『鎌倉殿の13人』では源義経を演じて、すごく難しかったのですが、楽しかったんです。なので、また改めてご一緒できることがうれしかったです。三谷さんの書くお話は、人が多面的に動いていて。このドラマでもコメディもシリアスも描かれています。周りの人が爆笑している中で、1人泣かなければいけないこともあるので、役者としては大変ですが、その両方を演じられるのは面白いですし、すごくワクワクしています。
今回演じる久部三成はどのような人物ですか？
演劇に対する熱量、蜷川幸雄先生に対する愛情、シェイクスピアに対する愛情みたいなものは本物なんでしょうけど、“それだけ”の人。本当に自分勝手で、周りから嫌われていきます（笑）。でも、「そりゃそうだ」と思うことをやっていくので…擁護はできないといいますか。視聴者の皆さんには、そんな久部の人としてダメな部分を途中で好きになってもらいつつ、嫌いになってもらいつつ、と思いながら演じています。…こういう話だけ聞くと、どんな話なんだっていう感じですよね。これは喜劇ではなく、悲劇だと思ってください。本当に見ていられないですから（笑）。
その久部とご自身の似ている部分はありますか？
僕も割とわがままなので、似ているかもしれません。でも久部ほどじゃないと思います（笑）。野心や自分の好きなものがあって、そのことに没頭しているときはほかのことが目に入らない感じは理解できます。義経も他を犠牲にするような描き方だったので、僕は三谷さんにそういう人間だと思われているのかもしれません。…あまり否定もできないです（笑）。
衣装などビジュアルに関して、菅田さんのお気に入りのアイテムはありますか？
コーディネートはスタイリストさんにお願いしているのですが、今回は1984年当時のものをただ使うだけではなく、現代のアイテムも取り入れています。そのなかで、当時の、エルメス、カルティエ、サンローラン、ラルフローレンという、“いいもの”も身に着けています。久部が着ると高そうには見えないのですが（笑）。でも、当時のものはつくりが丁寧で、すごく丈夫で、ちょっと変な形なところも気に入っています。あとは、コートの丈が長く、バサバサと動かすことがあるのですが、それがシェイクスピア作品でやるマントさばきに似ていて。ほかのドラマではなかなかできない動きが、衣装によってできている気がしています。
この時代の若者像など意識したポイントがあれば聞かせてください。
セリフがそう書かれているというのもありますが、言葉の置き方やラリーの速さが少し粗暴で、現代とは違った…圧のある感じは意識しています。あとは、劇中で登場人物たちがみんなタバコを吸っていて、平気でポイ捨てするシーンもあって。そのちょっと雑な感じも今とは違います。それは感情表現もそうで、声量は大きいし、人との距離は近いし。もう一種の時代劇だと思ってやっています。
取材・文：平野 智枝子
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』
放送日時：10月1日（水）スタート！毎週水曜22時～（初回30分拡大）
脚本：三谷幸喜
出演：菅田将暉 二階堂ふみ 神木隆之介 浜辺美波 ほか