ロレックス壊れたから弁償しろ! 警察官が容疑者に損賠請求はアリ?
弁護士も聞いたことがないという珍事をお伝えしよう。
おととし11月、事件は起きた。
公然わいせつ事件の張り込み中だった警察官。
その目の前で、怪しい男がコートをはだけて女子高生に下半身を露出…
ただちに追いかけると男は車で逃走しようとしたため、
この警察官はとっさに右手でワイパーを掴む。
そのまま引きずられ、左手などに名誉の負傷をし、
さらに左手にはめていた腕時計が壊れながらも男を見事に逮捕した。
警察官の献身的な捜査による事件解決…しかしそれで一件落着にはならなかった。
なぜなら、この警察官が損害賠償を求めて逮捕した男に対し民事裁判を起こしたから!
訴えた理由は2つ。
まず1つ目は―
逮捕するとき高級腕時計のロレックスを着けていたら壊れてしまった! 修理費70万円を払え!
2つ目は―
引きずられて体に傷が残り精神的ダメージを負った! 慰謝料など250万円払え!
請求額は、もろもろ合計して約360万円。
逮捕された公然わいせつ男の代理人は、
高級品を身に着けて捜査していることに落ち度がある、
と主張しているが…
警察官の訴えは通じるのか?
落合洋司弁護士に聞くと、警察官として高価なものを身につけていたのが適切かどうかが争点だという。
慰謝料に関しては、警察官などの公務員には精神的苦痛を保障する仕組みがないという。
そもそも、今までに警察官が容疑者個人に慰謝料を請求したケースは聞いたことがないとのこと。
これで損害賠償が認められたら どうなるのか?
高価なブランド品で身を固めた警察官が街にあふれ、逮捕した犯人に修理代を払わせるのが当然の世の中になる…そんなわけないか?