薬のレシート捨てないで!トクするかもしれない「セルフメディケーション税制」スタート
お財布の中に溜まったレシートを捨てようとしている人はちょっと待って!今年の1月1日から始まった新しい制度を知らないと『損』をしてしまうかも知れないのだ。
その名は『セルフメディケーション税制』。直訳すると「自分で(セルフ)薬を選んで使う(メディケーション)」ほどの意味だが、WHO(世界保健機関)では「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義。
増大し続ける医療費を抑えるため「軽い症状なら病院に駆け込む前に市販の薬を使ってください。そうしてくれたら税金を減らしますよ」という税制なのだ。
例えば「年収500万円」「4人家族」のケースを考えてみよう。
この家族が年間10万円の市販薬を買ったとすると、8万8000円が課税所得から控除され、所得税と住民税を合わせ2万6400円の減税効果が出てくるというものなのだ。
この控除を受けるためには「市販薬を最低1万2000円利用しなければならない」「キチンと健康診断を受けていることが必要」「従来の医療費控除を受ける場合は活用できない」などいくつか注意点があるのだが、その前に誤解してはいけないのは、市販薬なら何でも控除されるわけではなく、今のところ対象になっている市販薬は1555品目に限られている、ということだ。
しかも、これがややこしい。
例えば効能によって3つの種類がある風邪薬「ベンザブロック」の場合、鼻に効くタイプだけ控除の対象外。
かと思えば、風邪薬の「ルルアタック」の場合、発熱に効く赤いパッケージのものが控除の対象外になっているのだ。
これは控除の対象になるのは厚生労働省が定めた82の成分が入っている薬に限られているから。
しかし、82種類の成分なんて一般消費者に覚えきれるわけがない。ここで大事になるのが「マーク」と「レシート」なのだ。
例えば対象品目には、画像左に表示したように「税・控除対象」マークがついている(印刷が間に合っていないものはシールが貼られている場合もある)。
他に見分ける方法が、レシートに対象品目の印が付いているかどうか。画面右のケースでは「●」印で対象商品であることを表示している。税の還付を受けるためには確定申告が必要で、このためにもレシートが必要となる。タイトルで「レシートを捨てないで!」と書いたのはこのためだ。
ややこしく思えても、知っている人の方が「オトク」なことになりそうだ。
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