ノーベル賞の大隅教授が生出演で明かした“トンデモ苦労生活”
2016年のノーベル賞の発表が今月3日からスタート!東京工業大学の大隅良典栄誉教授(71)のノーベル生理学・医学賞を受賞が決定した。
受賞後、「ノーベル賞は少年時代からの夢だった」と明かした大隅さん。今日の「とくダネ!」では、生中継では何を語ったのだろうか? どのエピソードも“興味深〜い話”なので、生中継での会話をほぼ全文を載せることにした。
小倉「昨日、受賞が発表されてから周辺は大変な騒ぎになったと思うんですが」
大隅「予想以上でした。」
小倉「今回は基礎研究のかいがあってノーベル賞の受賞ということになったんですが、しかも単独受賞でした。どんなお気持ちで報告を聞かれましたか?」
大隅「私、基礎生物学者だと名乗ってまいりましたので、今回そういう研究を認めていただいたということが一番嬉しいことです。そういう方が日本にどんどん出てきて欲しいなと思っています。」
小倉「奥様とは同じ研究室で出会い、学生結婚だと伺いました。経済的にも苦しかったのではないですか?」
大隅「ええ。2人とも大学院生で、当時、奨学金が3万だったか6万だったか…親にこれで生活すると豪語して京都で結婚したんですが。すぐ子供ができて、親に養ってもらった時代がありました」
小倉「オートファジーの研究はどういうところにあったと思いますか?」
大隅「分解は合成と同じくらい大事だと、つまり私たちの体は合成と分解のバランスの中でしか生きていないので、実は分解っていうのは合成と同じくらい大事だと理解され始めたということだと思っています。」
小倉「若い人たちが基礎研究からどんどん離れていくという話がありますが、若い人たちへのメッセージをお願いします」
大隅「やっぱり日本は基礎研究は空洞化し始めてるんじゃないかととても心配してます。なかなか大学院の博士課程に進む人が少なくなっていて、生活のことだけを考えると研究者になるよりは(会社員を選ぶ)って思わないといけないぐらい、若い人たちのサポートが足りないと思っています。精神論でがんばれって言っても通じるもんじゃないので、国が将来の日本を支えるためには基礎科学者を育てるんだってことを心から思ってサポートいただく以外には大きな変化ってなかなかないんじゃないかって思ってます」
菊川「先生自身はこのノーベル賞をきっかけにこのオートファジーの研究をどのように進めていきたいですか?」
大隅「私に残された研究時間ってそんなに長くないと思っていますけども、まだ酵母ですらわからないことってたくさんあって、酵母でしかできないことで動物細胞や私たちの体の細胞に理解に新しい提言ができるってことが私が一番望んでいることで、そういう意味でオートファジーって酵母にとってなんだよということをとことんここ数年詰めてみたいと思っています。新しい人たちがジョインしてくれてそういう研究が展開できたらと思っています」
小倉「顕微鏡をのぞくって楽しいことですか?」
大隅「目で見て理解するということは人間の基本だと思っているので大事な要素だと思っています」
放送中に気付いたのだが…日本のノーベル受賞者の多くは、奥さまを『ワイフ』と呼ぶ。これには何か理由があるのだろうか…?ただ単に研究は英語で会話することが多いからだろうか?