あなたはどう思う?病院の隣で葬儀場建設計画…病院・患者・業者・地元住民で分かれる賛否
静岡県・伊豆の国市にある慈広会記念病院は、長期療養患者も受け入れる地域の拠点病院だ。その病院の目の前の敷地に、異例の建築計画が持ち上がった。
右側にあるのが慈広会記念病院。道路を1本隔てた左側が工場跡地。ここに“葬儀場”を建てるというのだ。業者側が事前に開いた説明会では病院側から「この計画、根こそぎ反対です」など怒号が飛んだ。
業者側は、建物を敷地の一番奥に作るほか、生け垣を作って外から見えないよう配慮するという。
しかし、葬儀場が計画通りに建設されれば、終末期の療養をしている患者がいる病院の目の前を霊柩車が出入りする…ということになりそうだ。また、病院によれば3階にある食堂の窓からは敷地の一番奥まで丸見えになる可能性が高い。このままでは、生きるための治療を受けている患者が葬儀を見ながら食事をすることになりかねず、病院側は患者の精神的な負担を心配する。
一方、業者に直接取材すると、次のような答えが返ってきた。
業者「元々反対の声を頂くというのは想定のできるところなのですが、そういう中でもご理解を頂ければ…という気持ちです。私共の会社の立場とすれば今までお話をさせて頂いている通り、少しでもご理解を得ながら作業を進めさせて頂きたいと思っております」
さらに、とくダネ!が地元住民の方を取材すると、賛成・反対それぞれの立場があるようだ。
ちなみに“火葬場”は「住宅地・学校・病院など多数人数が集合する建物から220m離れた場所であること」という法的規制があるが、セレモニーを開く“葬儀場”なら、行政許可が下りれば建設可能だという。
個人投資家・ブロガーの山本一郎さん(@kirik)の指摘はこうだ。
山本「保育園であれ火葬場であれ葬儀場であれ、自分たちが不快に思うものは排他的な気持ちを持ちやすい。病院の言うことは分かるんですけれど、それを言い始めたら何もできないんじゃないですか」
一方、慶応義塾大学准教授の石戸奈々子さん(@nanakoishido)は、入院患者にも賛否あるだろうと分析する。
石戸「目の前に葬儀場があることが分かった前提で入院されている方は納得されているんでしょうけれど、突然 葬儀場が建ってしまったという患者さんからすると、許し難いものがあるんだろうと思います。葬儀場はどこかに作らなくちゃならないので、これから皆が考えなければならない事だと思います」
果たして、病院と葬儀場が向かい合うというシチュエーションを、みなさんはどう考えるだろうか?