被災地支援でネットが威力を発揮…有効的な活用法とは?
九州地方に甚大な被害をもたらした熊本地震。
現在も多くの被災者が避難生活を余儀なくされている。
震災直後、熊本県内のけが人は1000人以上に及び、医療機関は被災による施設の被害と、次々と搬送されるけが人への対応で大混乱に陥った。
中でも深刻だったのが、食料や物資の不足に加え、断水による水不足。
生活にも医療行為にも欠かせない水の不足は、医療機関にとって致命的だった。
熊本市にある慈恵病院も、水道管の破裂により深刻な水不足に見舞われた。
さらに、84人の入院患者に対して、備蓄していた食料は3日分しかなかった。
危機的状況の中、副院長の蓮田健さんは、自身のフェイスブックを通じて水や食料の支援をお願いしてみた。
蓮田さん自身「投稿しても意味がないのでは?」と半信半疑だったという。
しかし…
蓮田さんのSOSのメッセージはネット上で瞬く間に拡散して、約5400人もの人たちが支援のために動いた。
そして翌日、なんと全国からコメ1000kg、水のペットボトル2000本が届いたのだ。
医療ジャーナリストの伊藤隼也さんはこの現象について、こう話した。
伊藤「ネットが功を奏したが、一方で課題も見えてきた」
インターネットは即時性に優れているが、一方で、一度アップされた情報も残り続ける。
このため、古い情報が、あたかも「最新情報」のように拡散されてしまう場合があるという。
例えば炊き出しの情報をネットで見つけて配布場所に行ってみたら、すでに終了していた、ということも起こりうるのだ。
こうした行き違いを防ぐには、投稿者が「日時を記載」することが有効だ。
さらに、一度アップした情報を「放置しない」ことも重要である。
物資の支援を呼びかけて、十分な量が送られてきたら「もう十分いただきました」と情報を更新することが重要なのだという。
伊藤「リアルな情報は非常に大事なので、重要なものを行政側が調整する必要がある」