アンビリバボープレミアム バナナマンの心に刺さる奇跡の実話

『夢のようなサプライズ』
今から19年前の冬、4人の大学生がニュージーランド南部、オタゴ地方の山道をドライブしていた。
道に迷っているうちにガソリンがなくなり、立ち往生。


翌朝、結局、車を押して山を下ることに。
彼らは車に「ランディー」と名付け、大切にしていた。
車を置いて、山から降りることは考えられなかったのだ。
なぜ、彼らは愛称をつけて呼ぶほど、一台の車を大切に思っているのか?


4人はみな親元を離れ名門、オタゴ大学に進学した大学生。
費用が安く済む学生寮で生活し、アルバイトをしながら大学に通っていた。
彼らは冒険に憧れていた。
大自然に恵まれ、アウトドアが盛んなニュージーランド、冒険するには車は欠かせない存在だった。


そして、大学での1年目も終わりに近づいた頃、ジェレミーが見つけたのが、ランドローバー車のオフロードカー。
既に製造から43年が経った中古車だったが、彼らにも手の届く値段だった。
ボディーにヘコミはあったが、かえって愛着がわいたという。
ランドローバーだから『ランディー』と、誰からともなくそう呼ぶようになった。


なけなしの金を叩いて共同で買ったランディーに乗り、彼らは週末の度、各地へ出かけた。
故障すれば、自分たちで直す。
旅先で買ったお気に入りのステッカーも徐々に増えていった。


そんな愛着がある車だからこそ、卒業後、離れ離れになっても、手放したくはなかった。
とはいえ、働きながら奨学金を返さなければならない彼らに、ランディーを維持していく費用の捻出は難しい。
そこで、ウィルの叔父さんが営む農場に、しばらく置かせて貰うことになった。


しかし、ウィルが結婚し、オークランドの街で、狭いながらもガレージ付きの借家に住み始めたことで、ある可能性が浮上する。
卒業から9年、ランディーをガレージに運んで修理することにしたのだ。


しかし…修理は難航した。
製造から55年以上が経っていることもあり、車の命、エンジンを直すのに高額な部品が必要だった。
それだけではない、整備に要する部品のほとんどが製造中止になっており、手に入れることは困難だった。
金銭的にだけでなく、技術的にも、再び乗れる状態にまで彼らが修理することは絶望的だった。


そして、卒業から11年が経った7月、ランディーを手放すことを決意した。
お金が用意できるまでガレージに置くという選択肢もあった。
しかし修理すればまだ走るランディーを彼らはそのままにしてはおけなかった。
そこで…オークションサイトに出品。


数週間後、ランディーを落札した新たなオーナーが車を引き取りに現れた。
保険会社に勤めるという男性、マキーだった。
そして4人の男たちは、現実を受け入れた。


実は、ウィルの妻クレアも同じ大学の同級生、夫の想いを誰よりも分かっていた。
それだけに、夫の心にぽっかり開いた穴を、どう埋めてあげればいいのか、彼女も悩んでいた。
一方マキーは、ランディーを、修理工場へ運び、クリスマス休暇が始まるまでに車を直して欲しいと依頼した。


無茶な依頼だったが、自動車整備士のトニーは、依頼を引き受けた。
車に貼られたステッカーから、前の持ち主の愛着が伝わってきたからだった。
それだけ愛された車を、もう一度蘇らせたい…職人魂に火が付いた。
だが、製造中止になって久しい車種の部品は入手困難で、新たに作らなければいけないパーツは、予想以上に多く、クリスマスまでにはどうやっても無理だった。


一方、年が明けた1月…クレアは、久しぶりにみんなで集まってバーベキューでもしようとウィルに提案した。
自分を元気づけようとしてくれているに違いない…ウィルは、妻の心遣いが嬉しかった。
そして…バレンタインデーを5日後に控えたこの日、学生時代の仲間が久し振りに揃った。
みんなでテレビを見ていた時、画面がCMに切り替わった。
そこで、彼らは信じられないもを目にした!


画面に流れたのは、ランドローバー社のCMだった。
しかも、ランディーと同じ車種。
だが、それだけではない、なんと貼られているステッカーや、ボディーの凹みまで、ランディーとまったく同じではないか!
走っているのも、学生時代にランディーに乗って旅をした、オタゴ地方の同じ場所、同じ道。


そして、最後に映し出された字幕には…
「新しくなった。1957年製 ランドローバーシリーズ1」
「青年たちよ ハッピー・バレンタインズ・デイ」
「鍵はクレアが持ってるよ」


すぐにガレージへ行くと…ランディーが置いてある!
しかも、完璧に修理された状態で。


バレンタインデーのサプライズプレゼント…このアイディアを考えた人物こそが、オークションサイトでランディーを落札し、引き取りに来た男性、マキーだった。
彼は、実はメーカーの社員だったのだ。
サイトに書かれた、『我々の体の一部をお譲りする事になりました』という文章に心を打たれ、"次に使うべき"は、彼らの他にいないと思ったという。


そしてランドローバー社御用達の整備士に修理を依頼。
クリスマスまでは無理だったが、バレンタインデーに必死に間に合わせた!
もう一人の仕掛け人が、妻のクレア。
車を引き渡してから程なく、マキーから連絡を受けたのだ。


再び、ランディーのオーナーとなったウィルさん達。
ついに試乗、さてその感触は…
「エンジン音も最高!僕らがガレージで、必死に直そうと思っていた、その理想の形で、戻って来たんです。夢のようで、感謝でいっぱいです。」


喜んだのは、彼らだけではなかった。
「素晴らしい車と、友情に出会えた。偶然のめぐり逢いに感謝したいです。」


そしてウィルさんたちが書いた
『愛しのランディーへ/あなたのことは一生忘れません』
その一文は、関わった人たちみんなの心に、永遠に刻まれることとなった。


『物語の主人公たちのその後…』
今回、VTRで紹介した登場人物たち、彼らのその後を追ってみた。
ルイスさんを襲った悲劇から今日で丸13年。
毎年、この日には 彼の他、亡くなった8名の消防士の死を悼み、メモリアルイベントが開かれている。


そして現在もサマーヴィル高校バスケット部は健在、多くの生徒たちが日々、練習や試合に明け暮れている。
そんな中、一つ変わったことが…実は、高校の体育館が改修されたのだ。
その壁には、ルイスさんの姿、そして 彼の言葉が掲げられている。
『正しいことを正しいやり方で正しい理由のためにしなさい』
ルイスにちなみ、ファイヤーハウス(消防署)と命名されたこの体育館には…今も彼のヘルメットが保管され生徒たちを見守っている。


一方、妻のローレンさんは現在 弁護士となり、日夜、法廷で闘っている。
4年前、彼女は、すべてを受け入れてくれる男性と出会い再婚。
その後、長男が誕生した。


「ルイスがいたから今の幸せがある」…そう語る彼女の現在のフルネームは、ローレン・マルキー・フリアソン。
ルイスさんの名前をミドルネームに残しているのだ。
もちろん今のご主人も快く了承してくれたという。


そして、奇跡の優勝を成し遂げたバスケ部のメンバー、ブランデン・ミルハウスさんは、鉄道会社に勤務する一方、地域の子どもたちにバスケットを教えている。


現在、NFLのシンシナティベンガルズに在籍しているAJさんは、貧しい子供たちのために奨学基金を設立した。
「ルイスコーチがしてくれたように、今度は僕が、子供たちに可能性が無限だということを伝えたいと思っています」


一方、多くの人々の優しさで、再び、愛車ランディーを取り戻す事が出来た4人の仲間たち。
ランディーが戻ってから、みんなで集まることが増えたという。


今から2年前の2018年、オーナーの一人、アンソニーさんが結婚した際には…ランディーは車庫のあるオークランドから式場まで、新郎新婦をエスコート。
さらに結婚式での写真撮影でも大活躍した。
学生時代の仲間とランディー、5人の冒険はこれからも続いていく。


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