戦慄の妻殺害計画 衝撃の展開!終わらぬ夫の恐怖

今から14年前の夏、悲劇はアメリカ・オハイオ州のモーテルで起こった。
女性が突然何者かに襲われた!
隣の客室にいた女性が大きな叫び声と音が聞こえたと通報。
すぐに地元の警官が駆けつけると…そこには一人の男が立っていた。
そしてベットには女性が倒れていた。

部屋にいた男性はクリス・リーゾス。
倒れていたのは妻のエイミーだった。
クリスによると、ノックが聞こえたからドアを開けると…黒人が立っていて、クリスを殴るとエイミーを懐中電灯で襲い、財布を奪って出て行ったという。

応援の警官が到着すると、ラベル巡査はエイミーの容体を確かめた。
エイミーは、頭部に重傷を負っており、出血が激しい。
だが、まだ意識はあるようだった。
そこで…エイミーに、YESなら瞬き1回、NOなら瞬き2回で、質問に答えるように指示を出した。
「あなたを襲った犯人はこの部屋にいますか?」…瞬き1回、YES。
「それはあなたのご主人ですか?」…瞬き1回、YES。

実はラベル巡査は最初から夫・クリスを疑っていたのだ。
なぜなら…クリスにはかすり傷一つなく、争った形跡がなかったのだ。

エイミーは病院に搬送されたが、幸い命に別状はなかった。
その後、巡査が室内を操作すると…バスタブにお湯がはられていた。
さらにメモを発見…それを見た警察は、クリスを逮捕。

メモには、恐るべきキーワードが…懐中電灯と手袋、TVをつける、金品、奪う、財布、携帯、バスタブ…
書かれていたことの多くが、クリスの条件や現場の状況に合致していたのだ!
クリスによる殺人計画のメモと推測した警察は、エイミーの回復を待って、詳しい話を聞くことに。

だがその前に、予期せぬ出来事が…
逮捕から数日、無罪を主張し続けたクリスが保釈されたのだ!
保釈が認められれば、裁判までの間、自由になる。
当時、オハイオ州の法律では、裁判官が保釈の判断をしていた。
エイミーへの接近禁止令は出されていたが、『前科がない』という理由からクリスは10万ドル(1,100万円)の保釈金で釈放された。

実はクリスの容疑は殺人未遂罪ではなく、暴行罪だった。
さらに、夫婦間の事件だったため、当時の裁判官たちは詳細を調べずにクリスを保釈してしまったのだ。

高学歴でエンジニアだったクリスと、看護師のエイミー。
結婚7年目、二人の可愛い息子にも恵まれ、幸せな家庭のように思えた。

だが、警察がエイミーから聞いた話によると…彼らが知り合ったのは高校時代。
人気者のクリスと純粋なエイミー。
互いに惹かれあった二人は程なく交際を開始。
しかし、クリスはエイミーを自分の思い通りにしたがった。

そして、結婚後も徹底的に亭主関白を貫き、エイミーの行動をコントロール。
看護師の仕事をしていた彼女の出勤時間、出勤ルートまで指示していた。
さらに…何かにつけてエイミーを罵倒。
彼女のストレスは日々溜まっていった。

結婚7年目、我慢の限界に達した彼女が、勇気を振り絞り、離婚を切り出すと…
すでに愛情が冷めていたのか、意外なことにクリスは冷静に受け止めたという。
離婚協議中は交代でどちらかがモーテルに泊まり、一方が家で子供たちと過ごした。

そして、事件当日。
離婚に向けて、話し合いを行うため、エイミーはモーテルにやってきた。
やがて、話が息子二人の親権に移った時だった。
クリスは、親権は自分が持ち、エイミーには渡さないと言ってきた。
当然、エイミーはそれに納得できず、反対した。

すると、クリスはTVをつけて部屋から出て行った。
気持ちを落ち着けようとしているのか?…エイミーがそう思った時だった。
部屋に戻ってきたクリスに突然、懐中電灯で頭を殴られたのだ!
さらに、枕で頭を押し付けられ、またも懐中電灯で頭を殴打された。
もし、隣の部屋の通報がなければ、エイミーはバスタブで溺死させられていたかもしれない。

そんな凶悪な男が保釈されたという、恐ろしい事実。
裁判で判決が出るまでの間、野に放たれた夫が何をしてくるか?
彼女は見えない恐怖に怯えることになった。

エイミーの退院の日…クリスを恐れ、エイミーの兄・ケビンは、彼女の家の鍵を全て交換した。
しかし、エイミーはある事実に気づく。
家にあった銃がなくなっているのだ!
身の危険を感じ、警察に相談したが…クリスが銃を持っているという証拠がなければ何も出来ないというのだ!

女手一つ、息子二人を育てなければならない。
エイミーは間も無く職場復帰したが、経済的な理由で子供を保育所に預けられなかった。
彼女の父親はすでに他界、母親も体を壊していたため、面倒を見てもらうことができず、やむなくお願いしたのが…クリスの両親だった。
事件前も、お金を節約するため、クリスとエイミーが仕事に行っている間は、クリスの両親がベビーシッターの役割をしていたのだ。
クリスの実家に行くことはリスクはあったが、接近禁止令が出ていたことと、子供達が一番慣れていたのがクリスの両親だったため、預けることにしたのだ。

だが…クリスの実家に子供達を預け、車で仕事に向かっている時だった。
クリスが後部座席に身を隠しており…クリスはエイミーに向かって発砲!
コントロール不能になった車は、道路脇にあった排水溝のコンクリートに激突した。

エイミーは意思不明の重体。
頭部からの出血が激しく、ドクターヘリで搬送された。
非常に危険な状態だったが、奇跡的に一命は取り留めた。

エイミーは2発撃たれていた。
後頭部から前頭部を貫いた銃弾が1つ。
さらに、後頭部から入り、目の上で留まっていた銃弾。
これにより、殺人未遂の容疑でクリスを再逮捕。

警察の捜査で、車内から押収された銃が、エイミーの家からなくなっていたものと判明。
また、エイミーが玄関先で息子たちを引き渡している間に車に、忍び込んだのだろうと推測された。
クリスは全ての容疑を否認したが、2度目の犯行ということもあり、保釈金はおよそ1億1000万円、とても払える額ではなかった。

しかし…恐怖はこれで終わりではなかった。
クリスは、身柄を拘束されてもなお、殺し屋を雇ってエイミーの命を奪おうとしていた!
刑務所で一緒になった男に殺し屋を紹介してほしいと頼んでいたのだ。
そして、殺害依頼や、その指示はクリスが手紙で書くことになった。

だが、手紙を出し、殺害計画が進んでいると思っていたクリスの元に刑事がやって来た。
実は…クリスから殺しの依頼を受けた受刑者が、自らの減刑を目的に警察に密告したのだ。
エイミー殺害計画を知った警察は、この受刑者を協力者として、おとり捜査を実施。
ジョンという架空の人物に殺人依頼の手紙を書かせ、やり取りの映像を録画。
3回目となる殺人計画の揺るぎない証拠をつかんだ。

手紙以外にも、のちに拘置所で押収されたクリスのメモには、エイミーとその家族の名前、住所、身体的特徴。
エイミーの出勤ルートなどが書かれていた。
これも、周到な計画を示す証拠となった。

クリスは3件の殺害計画を企てた罪で起訴され、懲役99年を求刑された。
罪を全て認めたことで、最終的に懲役30年を言い渡された。

そもそも、裁判所がよく調査せず、最初の事件の時、クリスをたやすく保釈してしまったことが、のちの大事件を引き起こしたのだ。
そこでエイミーは、自分のような被害者をまた生まないために、法律を改正するよう、兄・ケビンと共にオハイオ州の議員に働きかけた。
その結果、凶悪犯を保釈する際には、前科だけでなく、銃の所持や動物への虐待、暴力行為の有無など、20項目の調査を必要とする『エイミー法』が事件の翌年に成立。
エイミーの勇気と強い意思は、多くの犯罪被害者を救うことになったのだ。
彼女は現在、成長した子供たちと幸せに暮らし、各地で、家庭内暴力の恐ろしさを伝える活動を行っている。

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