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佐々木恭子の行き当たりばったり

いただくことば。

2016/12/12 15:26
posted by 佐々木恭子
今日は、娘もわたしも休みだったので、朝から都心へ。

電車は、ラッシュの時間は過ぎたとはいえ、まだ乗客の多い時間帯。

手をつないで乗ると、さっと席を代わってくださる女性がいました。

みると、わたしの母くらいの方。

丁寧に固辞するも、いいんですよどうぞとさらに勧めてくださるので、娘のみご厚意に甘えることにしました。


ちょうど今、大変な頃よね、でも、過ぎれば1番楽しい頃だから、と、さりげなく語りかけてくださいます。

そうですねぇ、、、大変ですねぇ、、、感動も多いですけどねぇ、、、なんて会話が始まりました。

聞くと、ご自身は里親として4人のお子さんを育てあげたとのこと。
そして、わたしはね、3歳のときに母を亡くしたの、まだ3歳だったのに母のことは、鮮明に覚えてるのよ。いまわたしは74になったけど、年をとればとるほど、もう一度、母に会いたいものよ、


と気づけば涙をいっぱい浮かべながら、話してくださっているのです。

その女性のほうが先に降りていかれましたが、ありがとう、いい時間だったわと。
さっと目線を娘に合わせ、あなたはみんなの宝なのよ、と声までかけてくださって。

子連れで電車に乗るときは、いつも以上に気が張るものですが、時々、こういう思いがけない優しさをいただきます。

たった8分ほどですが。

きっと、名前を知ることも、もう偶然会うことも、次に会ったときに、お互いに同じ人とわかることもなかなかないのかもしれませんが、通りすがりの一期一会にこんなに一生覚えておきたいことばをくださるなんて、


世の中、まだまだ人は優しいんだと信じていたいなぁと思う月曜日です。