仕事で読まねばならぬ本があるというのに、試験前の現実逃避したくなる気分。
しかも、台風の影響で、ここのところ気圧の変化を刻々と感じることが多く、気分まで重く覆われる。
突然、詩集が読みたくなりました。
美しい言葉で心を満たしたくなる。
思い出したのが、宮沢賢治の「永訣の朝」です。
いつ習ったんだろう、中学か高校か。
永訣っていう、永遠の訣別・別れの言葉を初めて知ったのも、この詩。
いままさに死を迎える妹から、兄である賢治は、雨雪をとってきて頼まれる。
あめゆきとてきてけんじゃ。
その方言の語感が、音読のときに少し照れくさかったのを覚えています。
思春期、、、ですね。
そして、この詩の情感や解釈を習ったけど、よくはわからなかった。
すぐに詩集を手にして、読みました。
詩ってすごいなぁ。
受け取りながら、高揚してくる。
冒頭からぐいとつかまれて、なみだがこぼれてくる。無意識に。
映像が見える。
映像の中に、溢れるようにこころが詰まっていて、
言葉にならない感情を言葉にしてくれる偉大な作品があるから、
時が経っても、今度はわたしの中で生きていく。
学校で習う勉強に、意義の有無が問われたりもするけれど、30年近く経って記憶の引き出しから呼び起こされたりするから、なにがひょんなきっかけになるか、わからないもんだなぁと思う。