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佐々木恭子の行き当たりばったり

詩を読みたくなる。

2016/08/30 16:40
posted by 佐々木恭子
仕事で読まねばならぬ本があるというのに、試験前の現実逃避したくなる気分。

しかも、台風の影響で、ここのところ気圧の変化を刻々と感じることが多く、気分まで重く覆われる。

突然、詩集が読みたくなりました。

美しい言葉で心を満たしたくなる。


思い出したのが、宮沢賢治の「永訣の朝」です。

いつ習ったんだろう、中学か高校か。

永訣っていう、永遠の訣別・別れの言葉を初めて知ったのも、この詩。

いままさに死を迎える妹から、兄である賢治は、雨雪をとってきて頼まれる。

あめゆきとてきてけんじゃ。

その方言の語感が、音読のときに少し照れくさかったのを覚えています。
思春期、、、ですね。
そして、この詩の情感や解釈を習ったけど、よくはわからなかった。


すぐに詩集を手にして、読みました。

詩ってすごいなぁ。

受け取りながら、高揚してくる。

冒頭からぐいとつかまれて、なみだがこぼれてくる。無意識に。


映像が見える。
映像の中に、溢れるようにこころが詰まっていて、
言葉にならない感情を言葉にしてくれる偉大な作品があるから、
時が経っても、今度はわたしの中で生きていく。


学校で習う勉強に、意義の有無が問われたりもするけれど、30年近く経って記憶の引き出しから呼び起こされたりするから、なにがひょんなきっかけになるか、わからないもんだなぁと思う。