FUJI TELEVISION Announcer's Magazine アナマガ

佐々木恭子の行き当たりばったり

失敗できるということ。

2016/06/12 18:15
posted by 佐々木恭子

今日、ウィークエンドのニュースで取り上げたのは、以前ブログでもご紹介した「テミルプロジェクト」。

最高のお菓子作りを通して、障害者の生活を向上させようという取り組みです。


障害のある方が作業所で働く平均賃金は、月額1万4800円。これでは自立には程遠いからと、魅力ある売れるお菓子を作って、賃金アップにつなげていこうとする試みです。

協力しているのは、一流パティシエや、絵本作家たち。


私も、たびたび商品を手に取りましたが、
「障害を持っている方が作っている」という背景は、買うための動機にはなっていないんですよね。

取材の中でも、パッケージがかわいい!という声がありました。

商品自体が、かわいく美味しい。

だから、また買いたいし、人にプレゼントしたくもなる。



プロジェクトの代表の方に以前お話を伺う機会がありました。

その時の言葉が忘れられません。

福祉施設での作業をみたときに、一番変えなくてはいけないと思ったのは、障害を持つ方に失敗する権利がないことでした。
安心で安全な作業しか担務しない制約がある。それでは、仕事をする気概が生まれない。
テミルのお菓子作りは、とことん厳しいです。妥協もないです。
一流パティシエの名前の看板に恥をかかせることはできない。
だから、失敗します。何度も何度も。

でも、そういう挑戦があるから、休みがちだった人が、今度は、お休みの日にまで今日も働きたいと作業所にやってくる。

働くことが・・・生き甲斐になるんですよね。と。

一言一句の再現ではありませんが、そのような趣旨でした。

失敗する権利。

あまりのインパクトで記憶しています。

確かに、自分自身を振り返っても、失敗して痛い思いをしたことこそ、学びが大きく、忘れないものです・・・。
次こそ、と乗り越えたときの喜びも大きい。

そして、はたと子どもを育てるときにも思うのです。

心のどこかで、子どもの失敗を恐れる瞬間がある。
先回りして、失敗しないように手を貸しすぎてはいないか。

どんどん失敗するんだよ、、と口では言いながらも。

裏腹な気持ちがあるからこそ、代表の方の言葉が耳に痛いほど、残ります。


失敗できるのは、チャレンジあるからこそ。


人の喜びの源泉なのかもしれないですね。