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エコラ〜Ecological Life〜

揺さぶられた!

2016/09/06 21:27
posted by 藤村さおり

少し前の話題となりましたが、リオオリンピック、盛り上がりましたねー。
沢山の「メダル」、沢山の「初」、沢山の「挑み」を見せてもらい、力のぶつかり合いが本当に楽しい2週間でした!

そして明日開幕するのはパラリンピック!
先日「PARA☆DO」関連のお仕事で、陸上・パラリンピアンの鈴木徹選手(走り高跳び)のトークショーを聞きました。
聞き手は田中ウルヴェ京(みやこ)さん。

いやー、感動しちゃったな〜。
「凄いな、この人たち」の連続で揺さぶられまくり。

沢山のことに脱帽し過ぎて何から書こうか……。

走り高跳びの鈴木徹選手は、高校3年の卒業間近に交通事故で右足を切断、義足生活を余儀なくされ、後天的に障がい者となりました。

丁度スポーツ推薦で大学入学が決まっていた時期だけに、ご両親は自殺するのではと心配し、毎晩泊まりで看病してくれたそうです。

でも当のご本人は、まわりの患者さんが義足でスタスタ歩き回っているのを見て、かなり早い段階で心がそれを受け入れたというからまず、心が超人!

普通そんなに早く切り替えられないでしょ。少なくとも私はもっと時間かかるな…。

普通に生活している人ですら片脚無くなったら生活がガラリと変わって悲観するでしょうに、スポーツ選手にとって生命線といってもよい片脚がなくなるのだから、尚のこと!
とはいえ、感覚に慣れるまで10年かかったと言っていました。


さらに競技の変更を余儀なくされた件に関しても
鈴木さんは、自身の考えの中で「スライドさせただけ」といい、“メダルを獲る”という目標は変わらなかったのだといいます。

あくまでメダルが「目標」、種目は「ツール」といったところなのでしょうか。
この揺るがなさ、鉄人ぶりも際立っています。


そして、同じインタビュアーとして今回とっても勉強になったのが、聞き手の京さん。

田中ウルヴェ京さんは1988年のソウル五輪のシンクロナイズドスイミング銅メダリスト。バリバリのスポーツウーマンです。

後にメンタルトレーニング上級指導士の資格をとられたとあって、心の襞にスルッと入って聞く感じがたまらない。

普通だったら気を遣って尻込みしてしまうような、かなり突っ込んだ質問も
スルッ、ガチーンとぶつけるから、聞いているこちらも爽快感たっぷり!

もちろんアスリート同士だから聞けるというのもあるのでしょうが、それ以上に
京さんだから聞ける!という内容に踏み込んでいたと思います。
そういう聞き手、憧れるなー。

例えばどんな質問か。
「義足を履いたときの重心ってどこに置いてるの?」「無い方の足の感覚ってある?どの部分で感じるの?」「パラリンピアンの取材に行くと、足(義足)がその辺にゴロゴロしてて『ちょっとあの足取ってー』という会話が平気で行われているよね」など。

普通なかなかこの会話、なし得ないですよね。
スルッ、ガチーン感がもたらすわかりやすさ。

あの明るさとマインドは盗みたい!と思わせるものがありました。

鈴木選手にとって走り高跳びの魅力は、バーが落ちて終了となるため「失敗して終わる、残酷なスポーツ」なのだそうです。
そのパラリンピック 走り高跳びは9月13日〜14日開催予定。

シドニー、アテネ、北京、ロンドンに続き5大会連続出場となる鈴木選手の目標は「メダル獲得」。

地球の反対側から声援、送ります!

写真は右から田中ウルヴェ京さん、鈴木徹選手、清隆さん(アーティスト)、福田さん(バイオリニスト)。
清隆さんの持っている競技用義足を記念に持たせてもらいましたが、1kgと想像以上に軽かったです!