FUJI TELEVISION Announcer's Magazine アナマガ

エコラ〜Ecological Life〜

新人たち〜巣立ち〜

2015/06/21 17:32
posted by 藤村さおり



一昨日、6週間に及ぶ新人アナウンサー研修が無事に終了しました。

系列局のアナウンサーも含め、多い時で総勢18名!

18人もいると、
一人一人テキストを読ませるだけでもかなり時間がかかりました。

でも、みんな心にわかばマークをつけて、
期間中、惜しみなく頑張っていました!


今回、私は入社20年目にして初の新人研修担当となり、

研修が始まるずっと前から様々なお膳立てをしてきました。

そして、講師デビューの年でもありました。


そういう意味では私もわかばマークを付けて臨んだ研修だったとも言えます。



‥‥かれこれ19年前、私も同じようにして佐々木恭子ちゃんと竹下陽平君と研修に明け暮れたのを思い出し、

その裏で今回の様に全ての段取りをお膳立てしてくれた先輩がいて、

忙しい勤務の中で時間を割いて講師にきてくれた先生方がいたことを

20年越しでとてもありがたく、思いました。



さて、今年の新人さんたちの話に戻ります。

うちの新人さんたちも翌日からは○○さんではなく、○○アナになるわけですが、
初々しさが“ある種の売り”になるところが系列局のアナウンサーとちょっと違うところ。


系列局の新人アナウンサーさんたちは、
新人らしさよりもきっと“即戦力”が求められているから、
より背負っているものが違うと感じます。

その重圧に耐えかねて最後の懇親会では泣いてしまう子も‥‥。


みんな、とっても一生懸命でそれゆえの涙を見ると、

まるで自分の子供のように痛みが察せられ、思わず頭をなでなでしてしまいました。



先日受けた近藤サトさんのナレーション講座でも思いましたが、

アナウンスメントの探求が尽きないのは、
数学などと違い「数字で決着がつかない」こと。

そして答えが一つでない上に、「好み」で評価が分かれるものだから、のような気がしています。


より自分の好きな“読みや喋り”はどんなスタイルなのかを追求した先にのみ、答えがある。


それをやるためには‥‥やはり基礎であるアナウンスメントがきちんとできていないといけない。

=今回新人さんたちが6週間かけて学んだそれこそが
長いアナウンサー人生の礎になる。



振り向けば私も長らくアナウンサーをやっていますが、これまで迷うことばかり。

迷って答えに巡り会えないから、いまだに探求を続けているのかな。


でも逆に捉えれば、
その探求心が働く原動力にもなっているので、

社歴に関係なく「飽くなき努力をしたい!」と、今回の研修で思った20年目のベテランでした。



写真はテレビ愛媛 山ア真依アナとサガテレビ 鈴木恵理香アナ。
もう一枚は新美有加アナと。